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想像つきますか?
私は「向いていない人は臨床心理士になるな」とまでは言いませんが、それでもあまりおススメはしません。
その理由の一つは、向いていない人が臨床心理士になると、想像以上に苦労するからです。
例えば、まず仕事を見つけるのに苦労する可能性があります。
臨床心理士の世界はコネで決まるところが大半です。「向いていない人」というのは、あまり臨床ができないという印象をもたれるため、まず仕事をもらうのに苦労します。
私も正直向いていない方で大学院の実習で「臨床心理士はやめた方が良い」と言われることもありました。
そのためか、コネがなかなかもらえず、普通にハローワークで仕事を探して、何度も落ちて、それを繰り返して、少しずつ仕事を手に入れてきました。
まず向いていないと、運よく常勤職へ行ける場合を除いて、なかなか仕事に恵まれず経済的に苦労するだろうと思います。
あとは、カウンセリングや仕事自体が苦労するということもあります。
向いていない人はとにかくクライエントを害することが多いです。
そのため、不用意な発言でクライエントを外してしまい、クライエントから怒鳴られるというケースもあります。
向いていないということはクライエントの気持ちがなかなか汲み取れないということです。
クライエントが「つらい」と思っているのに「つらくない」とカウンセラーが誤読していることです。クライエントにしてみたら「何でわかってくれないの?」ということになります。
そうしたカウンセラーが行うカウンセリングはかなり気まずいです。
それを何とかしようと努力する人はまだ大丈夫ですが、なかにはそれに気づかない人もおり、知らない間にどんどん職場から浮いてしまう状態になる人もいます。
まあ、臨床の経験と努力をしていけば、向いていなくてもカウンセリングのスキルは上達していき、まあある程度はできる人になることはできます。
なので、私は「向いていない人はなるのをやめろ」とは言いませんが、かなり苦労すると思うので、おススメはできません。
臨床心理士を目指す方にとって、一番人気の高い仕事の一つが「病院」での臨床業務だと思います。一つはカウンセラーのイメージに一番近い仕事ができるという印象があるからだろうと思います。
私の大学院の頃も「病院実習」は大変な人気でした。また同期の話を聴いていると「病院で働きたい」という人が結構いたのを覚えています。
ちなみに病院は大体3パターンに分かれます。
1つは入院ができる精神病院の心理士。
2つは外来のクリニックの精神科・心療内科の心理士。
3つは小児科など精神科以外の病院の心理士。
それぞれで求められることは当然違いますが、3つに共通しているのは心理検査です。
医師は患者を手早く診断し、処方や治療方針を決めないといけません。そのため、心理士にロールシャッハテストやバウムテスト、TEGなどの心理検査をオーダーし、それに心理士が出した結果を補助的に見て、診断や治療方針を決定します。ちなみに小児科では発達障害の診断のために知能検査や発達検査を行うように言われることが多いです。
カウンセリングですが、これは病院で大分事情が異なります。
入院の病院では、治療の一環として医師からカウンセリングをオーダーされることが多々あります。
この場合は無料のところも多いようです。また、心理士の見立てを伝えてチームで患者をフォローする立場に置かれることも多いです。
外来のクリニックでは無料でカウンセリングを行うところもありますが、大抵は自費で行われます。大手の病院であれば、言われませんが、小さい街中のクリニックだと「カウンセリングで稼げること」と求められることもあります。
小児科の発達障害関係の病院の場合は、子どもの療育を任されることが多いようです。
精神科にこれらる方はいろんなことで困っている人が多いので、ある意味いろんなケースを見ることが可能です。自身のカウンセリングや心理療法のスキルを磨くのであればお勧めだと思います。
心療内科・精神科、診てもらうならどっちがいい?
実際の臨床心理士の仕事と聞くと、どんな姿をイメージするでしょうか?
多くの人は、大学院も出ているし、収入も安定していて、病院や学校などで良いポストを与えられていると思っているかもしれません。
しかし、臨床心理士の実態は高学歴・低収入というのが実態です。
ちなみにスクールカウンセラーは日当3万円が出ますが、週に1回、年間35回以内という勤務条件で働いています(兵庫県の場合)。つまり1つの学校につき105万しかもらえないという計算です。しかも非正規雇用のため、保険や年金は自腹で払わないと行けません。
病院や施設では大体20万~25万くらいが相当です。
市役所もそうですね。最初は20万前後というのが実態です。
それで、残業や持ち帰り仕事がやけに多いというのが臨床心理士という仕事の状況でもあります。
例えば、心理検査やカウンセリングの記録というのは、面談が詰まってくるとどうしても終わった後にするしかなくなります。また、これらは慣れないうちは非常にハードな作業です。
まあ、ここまで多忙な売れっ子心理士でも給料は30万~35万までもらえればいい方です。
その理由として、多くが非常勤の勤務のため、いくら掛け持ちしてもこれ以上は上がりにくいのです。
また、病院など正規雇用や常勤職が得られても、よほどいいポストか企業や大学など恵まれているところにつかない限り、30万以上もらえることは難しいだろうと思います。あとは臨床心理士の仕事はコネが大半だということです。なので、コネが強い大学院に行かないと、就職するのはガクッと難しくなります。
さらに言えば、臨床心理士は経験とスキルがものをいう世界です。腕の悪い臨床心理士は淘汰されていきます。そのため、臨床心理士なりたての頃は、仕事がほとんどな状態で、コンビニのバイトをしながら少ない経験にしがみつきつつ、腕を磨くしかありません。
ただ、クライエントが良くなっていくのを見ると「なってよかった」とやりがいのある仕事でもあります。だから、私は臨床心理士はならない方がいいとは思いません。むしろ、そうした喜びを皆さんにも味わってほしいし、それでも臨床心理士になりたいと思う方を私は心から応援しています。
臨床心理士の仕事、就職先について